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GARBOLOGY

the Noise of Time review by GARBOLOGY, Japan, 2011


毒々しく如何わしい世界観を繰り広げる、香港のフューネラルドゥーム HYPONIC 『The Noise Of Time』 ┃中国(香港) ┃2ndアルバム ┃ジャンル/フューネラル・ドゥーム ┃リリース/2005年 ┃レーベル/AreaDeath Productions ┃マイスペース/http://www.myspace.com/hyponic  ちらほらとメタルバンドを輩出してる中国ですが、まだまだ物珍しく見られることから、シーンそのものは発展途上といった印象。そこにいきなりフューネラルドゥームときたものですから、雑多な中国、何が隠れているかわかりません。  1stの時点では、北欧デスメタルの影響下にある音を出していたらしいのですが、本作ではフューネラルドゥーム以外にカテゴライズ不能のスタイルを貫いている。  鬱系のメランコリックさもなければ、荘厳なシンフォニックさもない、ひたすら不安を煽るような描写ばかりを続けていく。不気味な残響音と、感覚を遮断するように広がるノイズエフェクトが、他との差別化を図っていて、まるで、衛生状態の悪い独房に、閉じ込められているかの如き閉塞感に支配されるなか、得体の知れない病原菌にゆったりと蝕まれていくようで、アルバムを深く深く聴いていくごとに、取り返しのつかないことになってしまいそう。この、淀み、爛れた空気は最後まで晴れることはない。  欧米や西洋由来の暗さとは違った種類であり、同じアジア人ゆえに、こちらのほうが闇を濃く感じられるという人もいるかと。  まさしく、この地域からしか生まれない唯一無二の作品。 【ピックアップ】02.Subconscious Attack  怪しげなメロディ。雪崩れ込むザラついたノイズエフェクト。ひたひたと、死が忍び寄ってくる。 ■こんな人にオススメ ・不気味な作品を所望 ・珍しいものに目がない ・遅い音楽しか聴けない状態 ■主な入手方法 ・GRAVE ■この音源に近いアプローチをとるバンド ESOTERIC、Of Darkness

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